筋トレに必要なタンパク質の1日の摂取量:体重別の目安
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筋肉をつけるために筋トレをしている人の多くは、タンパク質の1日の摂取量を1.6 g/kg(0.7 g/lb)程度にすれば十分です。49件の試験をまとめたレビューでは、タンパク質を増やしても、この量のあたりで筋肉はそれ以上増えなくなりました。推定値の上限は約2.2 g/kg(1 g/lb)で、減量中や余裕を持たせたいときには妥当な目標です。1日の量は3~5回の食事に分けてとりましょう。
タンパク質はトレーニングによる成果を支えるものですが、より重要なのはトレーニングそのものです。同じレビューでは、トレーニングだけで約3か月間に平均約1.1 kg(2.4 lb)の除脂肪量が増え、タンパク質を追加するとさらに約0.3 kg(0.7 lb)増えました。ですから、タンパク質を十分にとりながら、漸進性過負荷でトレーニングを少しずつきつくしていきましょう。筋トレを始めたばかりの場合は、最初の数か月のためのシンプルなプランから始めてください。
体重別の1日の目標量
体重に目標値をかけて計算します。次の表は、一般的な体重での計算結果です。グラム数はキログラムの値から計算して丸めています。
| 体重 | 下限、1.2 g/kg(0.54 g/lb) | 通常の目標、1.6 g/kg(0.73 g/lb) | 高めの目標、2.2 g/kg(1 g/lb) |
|---|---|---|---|
| 60 kg(132 lb) | 72 g | 96 g | 132 g |
| 70 kg(154 lb) | 84 g | 112 g | 154 g |
| 80 kg(176 lb) | 96 g | 128 g | 176 g |
| 90 kg(198 lb) | 108 g | 144 g | 198 g |
| 100 kg(220 lb) | 120 g | 160 g | 220 g |
筋トレをする人の多くには、通常の目標が合っています。下限は、後で紹介する共同声明がアスリート向けに示す範囲の下端です。高めの目標は、減量の時期や、余裕を持たせたい場合に向いています。
目標値の根拠
この答えの根拠となったレビューは、筋トレをしている1,863人の参加者を対象とした49件の試験をまとめたもので、タンパク質を追加したグループと追加しなかったグループがありました。タンパク質の総摂取量を報告した試験では、1日のタンパク質が約1.62 g/kg(0.73 g/lb)になるまでは筋肉の増加が大きくなり、それ以上では横ばいになりました。この推定には不確かさがあり、上限は約2.2 g/kg(1 g/lb)に達しました。著者らは、トレーニングの効果を最大限に引き出したい人にこの量を提案しています。
105件の研究を分析した2021年の論文でも、同じような傾向が見られました。タンパク質の摂取量が増えるほど除脂肪量も増えましたが、1日約1.3 g/kg(0.59 g/lb)を超えると、追加した分の効果はそれ未満のときの約3分の1にとどまりました。
専門機関も、同じような範囲を示しています。
- 国際スポーツ栄養学会(International Society of Sports Nutrition):運動をする人の多くに1日1.4 g/kg(0.64 g/lb)~2 g/kg(0.9 g/lb)(ポジションスタンドより)。
- 米国スポーツ医学会、米国栄養士会(Academy of Nutrition and Dietetics)、カナダ栄養士会(Dietitians of Canada):アスリートに1日1.2 g/kg(0.55 g/lb)~2 g/kg(0.9 g/lb)(共同声明より)。
これよりずっと少ない、1日約0.83 g/kg(0.38 g/lb)という数字を見たことがあるかもしれません。これは欧州食品安全機関と世界保健機関が成人全般に向けて定めた参照摂取量で、トレーニングをしているかどうかにかかわらず、健康な成人のほぼ全員の必要量を満たす量です。基本的な必要量は満たせますが、先ほどの研究からは、筋肉をつけるために筋トレをする人にはその約2倍が適していることがわかります。
食事ごとのタンパク質の分け方
2018年のレビューの計算によると、1食あたり約0.4 g/kg(0.18 g/lb)を少なくとも4回の食事でとれば通常の目標の1.6 g/kg(0.7 g/lb)に、1食あたり最大0.55 g/kg(0.25 g/lb)を4回の食事でとれば高めの目標の2.2 g/kg(1 g/lb)に届きます。3つの体重で計算すると、次のようになります。
| 体重 | 1食あたり(0.4 g/kg(0.18 g/lb)の場合) | 4回の食事の合計 |
|---|---|---|
| 60 kg(132 lb) | 約24 g | 約96 g |
| 80 kg(176 lb) | 約32 g | 約128 g |
| 100 kg(220 lb) | 約40 g | 約160 g |
量の多い食事でも無駄にはならないので、これらの量は目安として考えてください。筋肉が1回の食事から使えるタンパク質は25~30 g程度までだとよく言われますが、2023年の研究では、トレーニング後に100 gとったほうが、25 gよりも筋肉をつくる反応が大きく、長く続きました。ただしこの研究で測ったのは、数か月にわたる筋肉の成長ではなく、トレーニング後12時間の反応です。タンパク質を1日を通して分けてとることは、引き続きよい習慣です。
1日の中でいつとるかは、1日の合計量よりもずっと重要度が低くなります。タンパク質をとるタイミングについてのメタアナリシスでは、トレーニング直前・直後のタンパク質が有利に見えた研究の多くで、そのグループのタンパク質の総量自体が多くなっていました。1日の合計量を考慮すると、タイミングによる明確な差はありませんでした。
記事をレビューしているコーチからのひとこと:
タンパク質を増やそうとするときによくある間違いは、何もかも複雑にしてしまうことです。プロテインシェイクに頼りすぎたり、普段の食事を抜いたり、タンパク質の大半を1回の食事に詰め込もうとしたりします。私は、タンパク質を食事ごとに分けてとり、シェイクは手軽さのために使い、休養日も普段と同じように栄養をとるように伝えています。筋肉は、栄養が必要かどうかをカレンダーを見て決めたりはしませんから。
目標を高めにするとき:減量中
脂肪を落とすために食べる量を減らすときは、タンパク質を増やすと今ある筋肉を保ちやすくなります。体脂肪が少なく、消費量より少なく食べている筋トレ実践者について、研究をまとめたレビューは、除脂肪量(体のうち脂肪以外のすべての重さ)あたり1日2.3 g/kg(1 g/lb)~3.1 g/kg(1.4 g/lb)を提案しています。体脂肪が少ない人ほど、またカロリー不足が大きいほど、範囲の上のほうが適しています。
体脂肪率が約15%の場合、この範囲は体重あたり約2 g/kg(0.9 g/lb)~2.6 g/kg(1.2 g/lb)に相当します。この記事の最初に紹介した高めの目標の2.2 g/kg(1 g/lb)はこの範囲に収まるので、減量中に使いやすい数字です。
年齢を重ねてからの筋トレ
高齢者は若い人よりも多くのタンパク質を必要とします。その理由のひとつは、食べたタンパク質に対する筋肉の反応が弱くなることです。PROT-AGE研究グループは、65歳以上の人に1日少なくとも1 g/kg(0.45 g/lb)~1.2 g/kg(0.54 g/lb)、運動をする人には少なくとも1.2 g/kg(0.54 g/lb)を勧めています。
年齢を重ねてから筋トレをしている場合も、通常の目標の1.6 g/kg(0.7 g/lb)はこの最低量を上回っており、上で説明したように食事ごとに分けてとれば、妥当な目標になります。同じグループは例外をひとつ挙げています。重い腎臓病のある人は、タンパク質を制限する必要がある場合があります。疾患がある場合は、まず下の安全性についての項目を読んでください。
植物性の食事で筋トレをする場合
植物性のタンパク質でも、1日の量が同じなら同じように効果が期待できます。12週間の試験では、筋トレを始めたばかりの若い男性たち(半数は普段からヴィーガン、半数は雑食)が週2回トレーニングし、1日約1.6 g/kg(0.7 g/lb)を摂取しました。どちらのグループも、筋肉と筋力の増え方は同程度でした。ヴィーガンのグループは大豆プロテインの粉末を、雑食のグループはホエイを使ってその量に届かせました。
動物性の食品を食べない場合は、豆腐やレンズ豆などタンパク質の多い植物性の食品を中心に食事を組み立て、食事だけで足りないときは植物性のプロテインパウダーを使いましょう。
身近な食品に含まれるタンパク質
米国農務省(USDA)のデータベースFoodData Centralの値で、1グラム単位に丸めています。
| 食品 | 量 | タンパク質 |
|---|---|---|
| 鶏むね肉(皮なし、ロースト) | 100 g(3.5 oz) | 約31 g |
| 木綿豆腐(硫酸カルシウム使用) | 100 g(3.5 oz) | 約17 g |
| カッテージチーズ(乳脂肪1%) | 100 g(3.5 oz) | 約12 g |
| ギリシャヨーグルト(プレーン、低脂肪) | 170 g(6 oz) | 約17 g |
| ゆでたレンズ豆 | 200 g(7 oz) | 約18 g |
| 卵(大1個) | 50 g(1.75 oz) | 約6 g |
| 牛乳(全乳) | 250 ml(8 fl oz) | 約8 g |
これほどのタンパク質をとっても安全?
健康な成人については、これまでの研究結果は安心できるものです。28件の試験をまとめた2018年のメタアナリシスでは、健康な成人がタンパク質の多い食事をとった場合と、タンパク質が少ないまたは普通の量の食事をとった場合とで、腎機能の変化に違いはありませんでした。
この記事のアドバイスは、トレーニングをしている健康な成人を対象としています。腎臓病やその他の疾患がある場合、妊娠中の場合、食行動に問題を抱えた経験がある場合は、医師や管理栄養士と相談してタンパク質の摂取量を決めてください。
プロテインパウダーは必要?
必要ではありません。プロテインパウダーは手軽な食品です。忙しい日や食事で足りないときに役立ち、ほかのタンパク質と同じように1日の合計量に含まれます。タンパク質の大部分は食事からとり、不足分を補うのにいちばん手軽なときにパウダーを使いましょう。
出典
- A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults(British Journal of Sports Medicine、2018年)
- Dose-response relationship between protein intake and muscle mass increase: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials(Nutrition Reviews、2021年)
- International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise(Journal of the International Society of Sports Nutrition、2017年)
- Nutrition and Athletic Performance(Medicine and Science in Sports and Exercise、2016年)
- Scientific Opinion on Dietary Reference Values for protein(EFSA Journal、2012年)
- Protein and amino acid requirements in human nutrition(World Health Organization、2007年)
- How much protein can the body use in a single meal for muscle-building? Implications for daily protein distribution(Journal of the International Society of Sports Nutrition、2018年)
- The anabolic response to protein ingestion during recovery from exercise has no upper limit in magnitude and duration in vivo in humans(Cell Reports Medicine、2023年)
- The effect of protein timing on muscle strength and hypertrophy: a meta-analysis(Journal of the International Society of Sports Nutrition、2013年)
- A Systematic Review of Dietary Protein During Caloric Restriction in Resistance Trained Lean Athletes: A Case for Higher Intakes(International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism、2014年)
- Evidence-Based Recommendations for Optimal Dietary Protein Intake in Older People: A Position Paper From the PROT-AGE Study Group(Journal of the American Medical Directors Association、2013年)
- High-Protein Plant-Based Diet Versus a Protein-Matched Omnivorous Diet to Support Resistance Training Adaptations: A Comparison Between Habitual Vegans and Omnivores(Sports Medicine、2021年)
- Chicken, broilers or fryers, breast, meat only, cooked, roasted(USDA FoodData Central、2019年)
- Tofu, raw, firm, prepared with calcium sulfate(USDA FoodData Central、2019年)
- Cheese, cottage, lowfat, 1% milkfat(USDA FoodData Central、2019年)
- Yogurt, Greek, plain, lowfat(USDA FoodData Central、2019年)
- Lentils, mature seeds, cooked, boiled, without salt(USDA FoodData Central、2019年)
- Egg, whole, raw, fresh(USDA FoodData Central、2019年)
- Milk, whole, 3.25% milkfat, with added vitamin D(USDA FoodData Central、2019年)
- Changes in Kidney Function Do Not Differ between Healthy Adults Consuming Higher- Compared with Lower- or Normal-Protein Diets: A Systematic Review and Meta-Analysis(The Journal of Nutrition、2018年)
当サービスはトレーニングプログラムと情報を提供するもので、医療上の助言ではありません。痛みや持病がある場合は、医師などの専門家に相談してください。
トレーニングをする人のための一般的な情報であり、医療や食事のアドバイスではありません。持病がある方、妊娠中の方、過去に食行動の乱れがあった方は、医師または管理栄養士に相談してください。